製材の豆知識

木挽き鋸ってご存知ですか?

製材の見方

「木こり」という職業はみなさん良くご存じだと思いますが、「木挽き」という職業があったことをご存知でしょうか?
おそらくご存知の方は少ないかと思いますので、ここで「木挽き」さんのことをご紹介したいと思います。

昔、木こりさんが山で大木を伐採し、その伐採された木材の特徴を見極め、より高価な角材・板材へとするために木挽き鋸を使い製材したのが「木挽き」さんです。

木挽きさんがこの木挽き鋸(写真)で挽き上げて製品となった木材は大工さんへ引き継がれ柱や床材、家となっていきます。
木は、切り倒されたときにその一生を終えます。
しかし、そこから有効に使われることによって第二の“生”が始まるといわれてます。そこで、木挽きさんがすぐれた見極めと製材技術によって、木に第二の“生”を吹き込むのです。 この木挽きさんこそ現代の材木屋ではないでしょうか。 山本材木店では、この木挽きさんのように皆さんの生活空間に“生”を吹き込み、“活きた”生活空間を作るお手伝いをさせいただくことを喜びとしております。

製材について

製材の見方

製材とはいわゆる丸太(原木)を板材あるいは角材などに加工する作業の事を言いますがその方法の中で 材木屋さんが最も気にかけるのが板目挽きと柾目挽きです。

柾目とは年輪に直角方向に切断した面であり木目が平行に見えるところです。ねじれが少なく、 細い丸太では木取りできる量が少なく必然的に高価な物となります。

板目とは年輪の接線方向に切断した面であり木目が山状あるいは楕円状に見えるところです。 その木目が美しいとも言えるのですが木というものはその中心に近い心材部に比べ樹皮に近い成長期にある辺材部は その水分含有率が多く乾燥段階において収縮の度合いが大きく、板目挽きの場合片面全体が心材に近く、 反対面は全体が辺材に近いのですからその板面全体の収縮率の違いから反りやすい材料となるのです。

現地挽きと内地挽き

丸太を製材する時、まずその丸太の癖を抜いてやるように挽いてあげなければなりません 丸太は成長する時点で様々な外的要因(日の当り具合、風、季節‥)により曲がり、割れ等の欠点が生じます。 国内製材所の場合ベテランの台車のハンドル持ち(大抵は工場長が受持ちます、 その丸太の歩止りと板材の品質を決めるのだから責任重大)の方が丸太の素性を見ながら帯鋸の刃を入れる位置を決めるのです、 出来るだけ割れ目の近くを割ることによってロスを防ぎ、反りに平行に割ってやる事により癖を出しきってやり製材品が おとなしい材となるようにする等、又その用途により板目や柾目に挽き分けるなど日本人独特の繊細さで製材された 製材品が内地挽きと呼ばれます。

それに対して丸太の産出された国あるいはその近隣の国で日本人の感性とは 違う意識の下で製材された材を現地挽きと呼びます、その工場規模や感覚の違いから効率のみを求めて製材された材とも言えますが 樹種によりその評価は分かれます。製材精度は間違いなく内地挽きが優位にありますがその製品単価で現地挽きが優位となります。